💼 院長からひとこと
こんにちは、みやこ鍼灸整骨院の院長です。先日、年代ごとの「武器」についての話を読んで、しみじみ考えてしまいました。健康は貯金と同じ。40代の今から積み立て中です。——必要になってから慌てて貯めはじめても間に合わないのは、お金も体も同じなんですよね。そして、この「積み立て」がいちばん効いてくるのが成長期のお子さんの体です。夏の大会が終わり、新チーム・秋の大会に向けて練習量が戻ってくるこの時期、「投げるとひじの内側が痛い」「投げ終わったあと肩が重い」というご相談が増えてきます。しかも「痛いと言うとメンバーから外される」と、お子さん自身が黙って我慢してしまうのがこの時期の難しいところ。今日は、成長期の投球障害(野球肘・野球肩)が体のどこで起きているのか、見逃してはいけないサイン、ご家庭でできることを、保護者の方にもわかるようにお伝えします。
野球肘・野球肩は「成長期のやわらかい部分」で起きている
大人と子どもで決定的にちがうのが、骨の端に「骨端線(こったんせん)」という成長のための軟骨の層があることです。ここはこれから背が伸びていくための大切な場所である一方、まわりの骨よりも力に弱いという弱点をもっています。
ボールを投げる動作では、腕を後ろへ引いてから一気に振り下ろすまでのあいだに、ひじと肩に強い「引っぱり」と「ねじれ」の力がかかります。大人なら筋肉や腱が受け止めてくれる力を、成長期の体ではいちばん弱い骨端線や軟骨の付着部が受けてしまう——そこに投げるたびの小さな傷みが積み重なるのが、野球肘・野球肩の正体です。
① 内側型の野球肘(いちばん多いタイプ)…ひじの内側、小指側にある骨の出っぱりのあたりが痛みます。ここには手首を曲げる筋肉と、ひじを支える靱帯がまとめて付いていて、投げるたびに引っぱられる場所です。押すと痛い・投げると痛いが典型的なサインです。
② 外側型の野球肘(数は少ないけれど要注意)…ひじの外側、親指側で骨と骨がぶつかって起こります。離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)と呼ばれ、痛みが軽くても内部で進んでいることがあるのが怖いところ。ひじが伸びきらない・深く曲げられないのは重要なサインです。
③ 野球肩(リトルリーグショルダー)…肩に近い上腕骨の成長線に投球のねじれが集中して起こります。投げたときに肩の前あたりが鈍く痛む、球速が落ちる、強く投げられないといった訴えが典型的です。
つまり「投げすぎ」だけの問題ではなく、「まだ完成していない骨に、大人と同じような回数を投げさせてしまった」という組み合わせで起こります。10歳ごろの野球をしているお子さんの数%に見られるという報告もあり、けっして特別なことではありません。
起こりやすいのは10〜15歳、投げる回数が多い子
好発年齢はおよそ10〜15歳。小学校高学年から中学生にかけて、体は大きくなってきたけれど骨の成長線はまだ閉じていないという時期がいちばん注意したいところです。投手・捕手のように投げる回数が多いポジション、試合が続く週末、チームと学校と自主練が重なっているお子さんにとくに多く見られます。
加えて、肩やひじ以外の硬さも大きく関わります。背中(胸まわり)がねじれない・股関節が硬い・下半身がうまく使えないと、その分を腕だけで投げることになり、ひじと肩への負担が一気に増えます。「フォームが悪い」と言われるお子さんの多くは、フォームを覚えていないのではなく、体がその形をとれない——これが現場でよく見る実際のところです。
見逃されやすい、はじまりのサイン
① 「投げるときだけ痛い」の時期がいちばん大事
はじめは投げるときだけ、それも全力で投げたときだけ痛みます。日常生活では困らないので、お子さんは自分から申告しません。ところが放っておくと、投げるたびに痛みが強くなる → 投げ終わったあとも痛い → じっとしていても痛いと段階が進んでいきます。「投げるときだけ痛い」うちに手を打てるかどうかが、その後の野球人生を大きく左右します。
② 痛いと言わなくても、プレーが変わる
保護者の方が気づきやすいのは、痛みの訴えよりもプレーの変化です。球速が落ちた・コントロールが急に乱れた・遠投を嫌がる・投げ方が急に変わった(腕が下がった、体が早く開く)——これらは痛みをかばって体が勝手に逃げているサインです。試合後にそっとアイシングしている、反対の手でひじをさすっているのも見逃さないでください。
③ ひじが伸びない・曲がらないは赤信号
左右のひじをまっすぐ伸ばして比べてみてください。投げる側だけ最後まで伸びきらない、深く曲げられない——この可動域の左右差は、関節の中で何かが起きているサインのことがあります。痛みが軽くても、この場合は必ず医療機関で確認してください。
🏥 医療機関の受診をおすすめする目安
次の場合は、まず整形外科などの医療機関でご相談ください。ひじが最後まで伸びない・深く曲げられない(左右差がある)/ひじの外側(親指側)が痛む/ひじの中で「引っかかる」「カクッとする」感じがある/投げていないときも痛い・夜も痛む/腕にしびれがある/急に腫れた・熱をもっている。とくに外側の痛みと可動域の制限は、レントゲンや超音波で内部の状態を確認しておく必要があります。成長期の投球障害は、画像で状態を確かめてから方針を決めるのがいちばん安全です。整骨院でのケアは、医療機関で状態を確認したうえで、並行して進めるのが安心です。
こんなサインはありませんか?保護者の方のセルフチェック
- ☐ 投げたあとに、ひじの内側をさすっている
- ☐ ひじの内側の骨の出っぱりを押すと「そこ」と言う
- ☐ 左右でひじの伸び方・曲がり方がちがう
- ☐ 球速が落ちた、遠投を嫌がるようになった
- ☐ 投げ方が最近変わった(腕が下がった・体が早く開く)
- ☐ 練習や試合が週5日以上、投げない日がほとんどない
- ☐ 前屈で床に手が届かない、股関節や太もも裏が硬い
- ☐ 「痛いと言うと外されるから」と我慢している様子がある
当てはまる項目が多いほど、体からのサインがすでに出ている段階です。早く気づけたお子さんほど、休む期間が短くて済む——これは現場で本当によく実感します。
ご自宅・チームでできること
1. まず「投げる」を止める勇気をもつ
痛みが出ているあいだは、投球をいったん休むことがいちばんの近道です。状態によっては数週間〜数か月の投球休止が必要になることもあります。「休むと下手になる」ではなく「今休むから長く投げられる」——ここをお子さんと共有してあげてください。
2. 休んでいる間こそ、下半身と体幹を整える
投球を休むあいだに股関節・太もも裏・背中の柔軟性を上げておくと、復帰後の腕への負担が減ります。前屈・お尻のストレッチ・胸を開いて背中をひねる動きを、1か所20〜30秒×2セット。走る、体幹を鍛えるといった投げない練習は、むしろこの期間の宝物です。
3. 投球数と休養日を「見える化」する
1日の投球数、連投の有無、週の休養日をノートやアプリに記録します。週に最低1日は完全に投げない日をつくること。学校の部活・チーム・自主練が重なると、大人が思っている倍投げていることが珍しくありません。
4. 投げたあとのケアを習慣に
練習後は肩・ひじまわりを軽く動かしてクールダウンし、前腕(手首を曲げる筋肉)をやさしく伸ばす。痛む場所をグイグイもむのは逆効果です。腫れや熱っぽさがあるときは冷やして早めにご相談ください。
5. 「痛い」と言える空気をつくる
いちばん効くのは、じつはこれかもしれません。痛みを言っても不利にならないとわかれば、お子さんは早い段階で教えてくれます。指導者の方とも「早く言えた子をほめる」という共通認識をもてると理想的です。
当院でできること
みやこ鍼灸整骨院では、まず「どこが、どのタイミングで、どのくらい痛むのか」をお子さん本人の言葉で丁寧にお伺いします。投げはじめなのか、振り下ろす瞬間なのか、投げ終わったあとなのか——このちがいが、ひじの内側・外側・肩のどこに負担がかかっているかを考える大きな手がかりになるからです。あわせてひじと肩の可動域の左右差を必ず確認し、医療機関での確認が先だと判断した場合は、その旨をはっきりお伝えします。
施術では、痛む場所だけを追いかけません。前腕・肩甲骨まわり・胸まわり・股関節・太もも裏といった投球動作に関わる体全体の硬さを確認し、腕だけで投げなくて済む体に近づけていきます。必要に応じて鍼灸によるケアを組み合わせ、深い層のこわばりにもアプローチします。成長期のお子さんには刺激量を控えめに調整して行いますので、鍼がはじめてのお子さんもご相談ください。
そして復帰までの道すじを、保護者の方・お子さんと一緒に確認します。いつからキャッチボールを始めるか、距離と球数をどう戻していくか——ここを決めずに復帰すると、同じことをくり返してしまいます。広陵町を中心に、香芝市・大和高田市・葛城市など近隣エリアからも、部活動やクラブチームのお子さんのご相談をいただいています。「大会前で休ませたくないけれど心配」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
「いつ・どこが・どのくらい痛むか」をLINEでお伝えいただくだけでもかまいません
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本日は通常診療です。ご予約・当日受付ともに承っております。部活動でのひじ・肩の痛み、成長期のひざの痛みはもちろん、肩こり、頭痛、腰痛、ぎっくり腰、交通事故後のむち打ちでお困りの方も、お気軽にお越しください。
平日・土曜 午前 8:30〜12:00 / 午後 15:00〜20:00
日曜 8:30〜13:00(午後休診)
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投球障害をくり返さないために大切なのが、下半身と体幹で投げられる体をつくることです。当院併設のJINgymでは、股関節まわり・体幹・肩甲骨のトレーニングを、お一人おひとりの年齢・体力・競技に合わせてご提案しています。投球を休んでいる期間のトレーニングや、復帰後の再発予防にもご活用いただけます。まずはスタッフまでお気軽にお声がけください。







